無線に夢見過ぎ

仕事の関係で、生体信号を収録するソフトウェアの開発を行っている。収録自体はハードウェアの仕事なので、厳密に言えばハードを制御してデータを保存するソフトウェアを作っているという感じである。一昔前であれば、体に貼り付けた電極からケーブルで収録ハードウェアに接続していたのだが、「ケーブル邪魔じゃん」ということから、電極&アンプから先を無線にした収録ハードウェアが流行っている。

本来は、無線になってケーブルレス、わずらわしくなくて最高!なはずなのだが、現実は、電波がブチブチ切れてデータが欠損して使い物にならない場合が多い。電波が切れる原因は、みんな大好き2.4GHz帯を使用していることも一因なのだが、とめどなく収録されるデータを送信できなかったときにどう対応するか考えていないことなども挙げられる。ひどいハードだと、「電波が切れるわけがない」という前提で作っているとしか思えないものもある。使ってみればわかるけど、あっさり切れるっての。


携帯電話での通話とか、動画のストリーミングとか、若干欠損したところでどうってことはないモノであれば、それでもいいのかもしれない。でもデータ収録となると、欠損していいはずがない。きっちりサンプリングどおりのデータがとれなかったら意味がない。

データが欠損するくらいなら、無線で飛ばしたりしないで小型のフラッシュメモリに保存してあとから吸い出せばいいじゃんとも思うのだが、

  • 収録中のデータの状況がわからない(モニタリングできない)
  • 別々に保存されたデータを同期させる(結合させる)のが面倒

などなど別の問題が発生する。結局、フラッシュメモリなどにストレージしつつ、モニタリング用に電波も飛ばすというのがベストな気がするが、そこまでやってくれるハードウェアはあまりないようだ。たぶんあったとしてもすごく高価。


結局言いたいことは、安価に欠損なしでリアルタイムに無線でデータ収録したいというのは無理があるということ。一見便利そうに思えるかもしれないけど、収録機器としては使えないよ?データぶつ切れだよ?電極&アンプが全部セパレートしているから、充電とか取扱が面倒くさいよ?ホントにそれでもいいの?

無線データ収録に夢見過ぎない方がいいよ。現時点では。