まず確認しようよ

前にもチクッと書いたが、仕事で生体信号を収録するソフトウェアの開発に携わっている。開発しているソフトはあくまで研究用であるため、臨床では使用されていない。
生体信号と一口で言ってもまぁ様々な信号があるわけだが、大体は体の表面で観測される信号を収録することになる。もちろん体の中に電極を入れることもできるのだけど、痛いし面倒だし、倫理的にもいろいろあったりで、私が関わっている範囲では見たことがない。(マジな臨床の現場では普通にあるのかもしれないが...)

体の表面に電極を貼り付けて信号を収録するため、きれいな信号を録るにはノイズ対策が欠かせない。体毛だって立派なノイズ発生源である。また、ケーブルに交流電源がのってしまうこともよくあり、アースを正しくとらないと消えないこともある。

どんな場合でもいいデータをとりたければ、事前に様々な準備、チェックが欠かせない。電極自体も進化しており面倒な準備が不用にはなってきているが、計測したい場所にペタッと電極を貼ってそのまま計測というほどお手軽には行かない。

このあたりは生体信号計測では常識だと思うのだが、キチンとやってくれない方々が結構いる。まったく確認しないままとにかく電極を貼って収録だけ行い、後で録れた信号をみてノイズだらけだからなんとかしてくれと泣きついてくる。フィルタ処理などでノイズが除去できればまだいいのだが、酷い場合は「ノイズしか」録れていないデータだったりする。こういう場合はどうにもならない。

あのぉ、心からのお願いなんですが、本番データ録る前に望みの信号が本当に録れそうかテストしてもらえませんか?PCの画面でモニタリング波形見れますよね?まず波形の様子を確認しましょうよ。ちょこっと波形を確認するだけでノイズの有無とかわかりますよ?なにも確認しないで収録だけして、すっかり実験が終わってから録れたデータを見て「なんじゃこれぇ?」と大騒ぎするのおかしいですよ?

生体信号処理の基礎 (ME教科書シリーズ)

生体信号処理の基礎 (ME教科書シリーズ)

  • 作者: 佐藤俊輔,木竜徹,吉川昭,日本エムイー学会
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本
  • クリック: 1回
  • この商品を含むブログを見る