教員

教員の不祥事ニュースが連発しているなか、自分が学生だったころの「気に入らない教員」の出来事を思い出した。

私の通っていた高校は一応進学校なのだが、そのためかそもそも修学旅行がなかった。その代わりというわけでもないのだろうが、高1の時だけ「スキー教室」というイベントがあった。100kmほど離れたスキー場付近の民宿に3泊しながらスキー教室に通うという内容である。強制ではなかった気がするが原則全員参加だった。そのスキー場は母親の実家にかなり近く、また、幼いころから両親にスキーを仕込まれていたため、私にとって特別楽しみなイベントではなかった。まぁ、三日間スキーしているだけでいいぐらいに思っていた。

実際に始まってみると、民宿からスキー場まで歩いていき、スキー教室での指導を受け、またスキー場から民宿まで歩いて変えるという繰り返しだった。もちろん夕食後から就床までは同級生とレクするからつまらんわけではなかった。

そんな中、集団生活ということで一応期間中のルールがあった。それは買い物したい場合は、スキー場から民宿までの移動の間に必ず店に立ち寄って買い物することというルールだった。要は一旦民宿に戻ったら外に出かけることは禁止するという意味だったようだ。

私は一応ルールは理解していたつもりだったのだが、結局初日にルールを破ることになってしまう。スキー場までの地図はプリントで配られていたのだが、「売店」がどこにあるという情報が一切記されていなかった。スキー場への道すがら売店を探してはみたがまったくみつからない。結局売店がどこにあるのかわからないまま初日は民宿に直帰した。すると後から帰ってきた同級生が菓子やら飲み物やらが入った袋を持っている。「それどこで買ってきたの?」と聞いてみると、どうやら売店はスキー場への道中ではなく、まったく逆方向に遠回りしたところに1件だけ売店があるということがわかった。「なんだよ、先に教えてくれよ」と思いつつ、夕食までまだ時間があったこともあり、教えられた売店に出かけて菓子・飲み物を買ってきた。もちろん翌日以降はスキー場からの帰りに立ち寄るつもりであった。

夕食までのあいだくつろいでいると、突然担任(ハゲじじい)に別室に呼び出された。何事かと思いつつ行ってみると、同伴していた体育教師も待ち構えていた。


担:「お前、さっきここに一旦戻ってから外出しただろ?」

私:「はい」

担:「どこに行ってたんだ?」

私:「買い物に行ってました」

担:「それは禁止だよな?」

私:「そうかも知れませんが、売店がどこにあるのかさっぱりわからないので、同級生に場所を聞いた上で買い物にいったのですが?」

担:「それは理由にならん。外出は禁止だろ?」

私:「だったら売店がどこにあるのか事前に教えてくれませんか?」

担:「屁理屈言うな。酒とか買ってきたんじゃねぇだろうな?」

私:「はい?そんなものは買ってません」

このあと、しばらくの間グチグチと注意を受けたのだが、その間ずっと「酒が気になるなら、ルール守って帰りに買ってきたってわからねぇじゃん。」
「つうか、外出するヤツがいるかどうか逐一見張ってたわけ?だったらそのとき注意するなり、買ってきた物を確認するなりすればいいじゃん」と苛立ちながら思っていた。


夕食の時間に先ほど同席していた体育教師がみんなの前で、

「あれほど、買い物は帰ってくる途中でと言ってあるのに、そのルールを破ったヤツがいた」
「ルールが守れない奴にはご退場願うからそのつもりで」

とあらためて宣言していた。

この瞬間、まだ言うかという気持ちと同時に、
「そこまで言うなら帰らせてもらうわ。いちいちうるせえな」
と言って母の実家に直行してやろうかと本気で思った。

ま、結局ヘタレでそこまではしなかったのだが....



軽く20年以上前のことなのだが、今でもこの出来事を思い出す。確かにルールを破ったのは私かも知れないが、場所もわからない売店にどうやって帰りに寄れというのだろうか?ルールを守らせたいのなら地図に「売店はここ」って書くくらいの配慮はできないのだろうか?

この出来事以来、「教員」という輩は嫌いである。偉そうなこと言うくせに他人への配慮や、社会常識がどこか欠けている。今では娘の学校の教員と接する機会があるのだが、話をしてみると程度の差こそあれ、やはり同じ感覚を味わう。

「悪い人ではないようだが、なにか違う」

なんなんだろう?どこか「抜けている」というか......

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